◆「ハーブ」って何?
そもそも「ハーブ」とはどのようなものでしょうか?
「ハーブ(Herb)」という言葉は、ラテン語の「HERBA(草または葉)」に由来します。
辞書には「薬草や香辛料となる草の総称」と書かれています。
では、ある特定の植物がハーブであり、それ以外の植物はハーブではないということでしょうか?
アマゾン川の奥地にすむ部族のシャーマン(呪術師または祈祷師)は2000種類以上のハーブを用いて治療を行なうといいます。
私たちの周りには2000種類のハーブがありますか?
あるいはただ知らないだけなのでしょうか?
それとも時代と共に忘れ去ってしまったのでしょうか…?
ある国や地域で、ハーブの「数」が多いか少ないかということは、その地域で自生する植物の種類や量にも左右されます。
しかし、それ以上に、植物の中から「特に有用である」と認め、意識的に活用する文化や伝統があったかどうかが大きく影響しています。
もし私たちが、ある植物の中に「素晴らしい力」を見出したとき、それは私たちにとって「有用な植物」であり、私たちにとって「ハーブ」となるのです。
確かに、ハーブというと「タイム」や「ローズマリー」など西洋の薬草療法と考えがちです。
しかし、実は東洋の漢方もハーブの仲間です。日本の食卓で日常的に使われる紫蘇や生姜、葱などの薬味類もハーブです。
いえいえ、私たちの日常生活で欠かせない植物のほとんどはハーブと言ってもよいでしょう。
ハーブは特に「薬用植物」を指す傾向がありますが、実はキュウリも「用い方」によっては特定の効果を発揮するため、ハーブと考えても差し支えありません。 事実、少々詳しいハーブ辞典にはキュウリが載っています!
ある日のハーブ・カウンセリングで、慢性の便秘で困っているというご相談がありました。
その方は食事には気を付けていると言いましたが、好きな食べ物を尋ねると、「手作りクッキーとミルクティー」と即座にお答えになりました。数年前から一日に数杯も濃いミルクティーを愛飲していたようです。
ハーバリスト(ハーブセラピスト)は便秘の原因の一つがミルクティーである可能性があることを伝えました。
たかが紅茶と思われるかもしれませんが、ミルクと合わせた時に、予期しない作用を及ぼすこともあります。紅茶のタンニンとミルクのある成分が結合した化合物は、病院で処方される下痢止めの薬の成分と同じなのです。
ちなみに、「下痢をした時、渋めの緑茶に牛乳を混ぜて飲むと良い」という民間療法もあります。
嗜好品と思われる紅茶や緑茶も、立派なハーブなのです!
「ハーブ事典に載っているからハーブ」というわけではないのです。私たちが1つずつ植物について学び、その有用性を認めるたびに、身の回りのハーブは増えていきます。
身の回りの植物について学び、認め、そして感謝を捧げながら自然と共生するライフスタイル「ハーバルライフ」は、ストレスなど不自然な現象から生じる問題を解決するための智慧を授けてくれるでしょう。
ハーブは常に私たちと共生していて、もし私たちが望めば素晴らしい癒しの機会を与えてくれます。
毎日の生活に積極的にハーブを取り入れてみませんか?